交通事故現場(ハイブリッド車)での消防対応

消防士の仕事

こんにちは!ガースです!

近年、燃費向上や環境への配慮からハイブリッド車へ乗り換える方は増えているそうです。僕自身、街中でハイブリッド車を見かける機会は多くなってきている感じがします。

出回っているハイブリッド車が多くなればなるほど、事故現場で私たち消防がハイブリッド車に遭遇する機会は当然増えると予想されます。

ハイブリッド車は高電圧って聞いたけど感電しないの?

事故したら漏電しない?

発火したりする危険は?

などなど様々な疑問点、不安もあるかと思います。

車両救助にあたる私たちがハイブリッド車に対してどんなことに注意する必要があるのかを今回の記事でお伝えできればなと思っています!

そもそもハイブリッド車って何?

出典:HONDA公式サイト

ハイブリッドという言葉は「複数のものを組み合わせたもの」という意味があります。ハイブリッド車は「ガソリン」と「電気モーター」を組み合わせてできた車、つまり走行の状況に応じて動力源(ガソリンor電気)を切り替えて走行する車のことを指します。

駆動方式

ハイブリッド車は各メーカーによって様々な走行方式があります。大きく分けて、シリーズ方式、パラレル方式、スプリット方式の3つの方式に分けられます。

シリーズ方式

出典:HONDA公式サイト

方式エンジンが発電機を回し、バッテリーを充電しながらモーターを動かして走行する方式になります。

代表的な車種としては、日産 e-POWER シリーズ があります。

パラレル方式

出典:HONDA公式サイト

エンジン駆動が主体となり、エンジンに負荷がかかる発進時や加速時に電気モーターを駆動させ補助する方式になります。

代表的な車種としては、スバルのe-BOXERなどがあります。

スプリット方式

出典:HONDA公式サイト

スプリット方式とは、シリーズ方式とパラレル方式を併用した方式になります。

つまり、エンジンと電気モーターを上手に使い分ける方式と考えたら分かりやすいのかなと思います。

代表的まな車種としてはトヨタのプリウスがあります。

ハイブリッド車の特徴

ここではハイブリッド車の特徴を3つ紹介します。

  • 高電圧(100V〜650V)のバッテリーを搭載している
  • 高電圧系統の配線やケーブルはオレンジ色に統一され人目でわかるようになっている
  • 漏電、感電しない仕組み、安全装置が備わっている

これらの特徴を少し詳しく見ていきます。

高電圧バッテリーについて

出典:トヨタ公式サイト 高電圧バッテリー

ハイブリッド車には通常のガソリン車同様12Vのバッテリーが備わっていますが、それに加えて高電圧のバッテリーが搭載されています。どれくらいの電圧が発生するのかと言いますと、100Vから最大で650Vまでの電圧を発生させるそうです。

電圧についての話は以前投稿したこちらに紹介していますので合わせてご覧ください。

(※)後日投稿↓

感電とは?〜電気の基礎知識から学ぶ〜

高電圧系統はオレンジ色

扱い方を間違えるととても危険な電圧を使用しているハイブリッド車。

出典:SUZUKIレスキューマニュアル

当然、安全に作られていますが、その中の一つとして一目で分かるように高電圧系統の配線やケーブルはオレンジ色に統一されています。

これは国内外産問わず、すべてのハイブリッド車の高電圧系統はオレンジ色に統一されているみたいです!

色で示してるあるから触らないでね!ってことなのでむやみに触らないように注意してください!

安全装置

ハイブリッド車は高電圧バッテリーを搭載していますので、扱い方によっては危険なものになります。そのため、メーカーもあらゆる状況を想定して安全対策を講じています。ここでは3点紹介します。

(1) 高電圧系統の配線やケーブルはオレンジ色に統一

こちらは前述した通りになります。

(2) 接触による感電防止対策

正常時のハイブリッド車にしても事故したハイブリッド車にしても感電危険は気になりますよね?

当然、その対策もされています。

直接接触に対する保護

高電圧バッテリーは絶縁(電気を通さない)の金属カバーで覆われていますので、正常な状態であれば直接触れても感電しない仕組みがとられています。しかし、正常な状態ではない状態、事故時などで高電圧バッテリーが剥き出しになっている状態は注意が必要になります。

間接接触に対する保護

高電圧部分から他の導電部分に漏電した場合においても感電させない仕組みが取られています。簡単に言うと、漏電を検知した場合、自動で高電圧システムを遮断する対策(間接的に感電を防止)がとられています。

絶縁抵抗の確保

高電圧部分と他の導電部分は絶縁されています。12Vのバッテリーのマイナス側は電気のボディの金属部分(ボディアース)に繋がっているため、ボディはマイナスの電気を帯びています。このように12Vのバッテリーはボディに繋がっているのですが、高電圧バッテリーはボディに直接接続されていないので、ボディに触れても高電圧部分には触れさせない仕組みがとられています。

以上のように、ハイブリッド車は接触による感電対策がとられています!

(3)事故時などの緊急時は高電圧システムを自動停止

ハイブリッド車の事故時に高電圧システムが停止しない場合、高電圧が放電されずに残っていることになります。前述したように、感電しない対策はとられているものの万が一があるので、安全確保のためにもシステムの停止は必要です。そのため、事故時などにより衝突検知すると、高電圧システムを自動的に停止する装置がついています。緊急時にもシステムを遮断してくれるため安心ですね!

高電圧システムが作動している状態

作動している状態は以下のようになります。

  • エンジンが作動している。
  • エアコンが作動している。
  • オーディオがついたままになっている。
  • ナビがついたままになっている。
  • メーターがついたままになっている。
  • ワイパーが作動している。

など、これらが確認できる場合は高電圧システムが作動している可能性があるため注意してください!

事故したハイブリッド車を扱う際の注意点

注意する点は以下の3点になります。

(1)感電危険

高電圧システム停止後も数秒間は電圧を維持しているそうです。これは放電に時間を要するためであります。感電防止のため、システム停止後も注意して取り扱うようにしましょう!

(2)高電圧に対する処置

ガソリン車同様の危険性も当然ありますが、それに加えてハイブリッド車の特徴である高電圧に対する処置が緊急時には必要になります。

(3)高電圧系統の配線、ケーブル

高電圧システムは最大で650Vの電圧を発生させます。オレンジ色の配線やケーブル、部品には絶対に触れないように注意しましょう!

事故したときに高電圧システムって止まるの?

接触による感電防止対策のところで触れましたが、事故時などの緊急時に高電圧システムを自動で停止する装置がついています。これは車両に衝撃が加わり、エアバッグセンサーの衝突検知するとエンジンが自動で停止する装置になります。エンジンを停止することにより高電圧システムも停止しますので、事故した時の緊急時にも高電圧システムを停止することができます。

高電圧システムの停止方法

さっきから高電圧システムが停止できますよ〜と言っていますが、具体的にはどんなことをすれば高電圧システムが停止するのか、紹介したいと思います。

停止方法は以下の4点になります。

(1)エアバッグセンサーの衝突検知

衝突を検知し、エアバッグが作動するとエンジンが停止することで高電圧システムを停止してくれます。

(2)エンジンを停止(エンジンOFF)

エンジンを停止することでも高電圧システムを停止することができます。

  • 活動の注意点

車のキーが車内に残ったままだと、なんらかの拍子でキーに触れ、エンジンを再始動してしまうことがあります。再始動による高電圧システム復帰を防ぐためにも、エンジン停止後は可能であれば車のキーを車外へ出しておきましょう!

(3)指定のヒューズを取り外す

車種によって異なるそうですが、電子制御系統のヒューズなど、指定のヒューズを取り外すことでも高電圧システム停止が可能です。わからないときは全部外すことも必要になってくるかもしれません!

(4)サービスプラグ外す、もしくはメインスイッチをOFFにする

これらの操作でも高電圧システム停止が可能です。

サービスプラグというのは、抜くだけで自動的に高電圧システムを停止してくれるプラグになります。車種やメーカーによってプラグの位置は異なりますが、トヨタ車であればボンネットを開けたところにサービスプラグの位置が明示してあるそうなので、確認が必要です。

結局ハイブリッドは危険なの?安全なの?

以上、ハイブリッド車の特徴や注意点をお話ししましたが、結局ハイブリッドは危険なの?安全なの?ってところですよね?

ハイブリッド車はガッチガチに安全に作られていますので、基本的には感電危険はないそうです!ですが、車も機械であることからシステム異常も万が一あるかもしれません。事故が相当なもので、高電圧バッテリー自体に破損があれば、感電防止措置も取る必要があります。

まとめると、事故をしたハイブリッド車であっても大きな損傷がなければ安全だと思ってもらっていいと思います。

注意すべきなのは、事故した後もエンジンがかかっていたり、オーディオやエアコンが作動している場合は高電圧システムの停止が必要になりますのでそこだけ注意してください!

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